ある日男がシェフを勤めるお店に
ひとりの田舎臭いおばちゃんが仲間とやってきました。
とてもその当時のお店にはあんまり見ないお客さん
「ちょっと!そこのあんたぁなんでもええで旨いもん喰わせて!」
その頃の男はまぁ天狗な状態でして
「どうせわからんばぁさんだろ。適当に流すか」
スタッフと談笑しながらいつものように料理をテーブルに届けました。
「シェフ、さっきのおばちゃんがシェフを呼んでこいっていってるんですけど」
「はいはーーい」軽い感じでテーブルに「なんでしたか?」
「なんだこりゃ!まずくて喰えたもんじゃねぇ!!なすもじゃがいもも!!」
───お肉の付け合わせについたグリルした野菜。脇役の適当に焼いただけの野菜。
「お前喰ってみろ!」食べました。。。ホントにおいしくない。
なんだこれは、、俺が偉そうな顔して作ってるもんこんなもんなのか、、、
お代はいただけませんでした。ぶちのめされた気分でした。
その夜は飲むしかありませんでした。まさしく深夜までの痛飲でした。
翌朝、わらが目一杯詰まったような頭を抱えお店に出勤したときに
一台の軽トラがお店の前に、、、あのおばちゃんです。
颯爽と飛び降りて、荷台におもむき黄色いでっかいプラ箱を取り出し
「ほら!これ喰え!でっかいの!げんきでるで!」
なかには山のような野菜!
茄子やキュウリやじゃがいもありとあらゆる野菜が3ケースも!
つやつやな野菜たちに言葉も忘れ、二日酔いもわすれ思わず
「がぶり」「うめぇぇ!!」
わかっていたんだホントはこのおいしさを、、、
「でっかいだけでちっちゃいなぁw野菜喰って泣くんじゃねぇw」
「うっせいばぁさんうめぇもんって泣けるんだわ!」
男が気がついて気がついてない振りをしていたのは
あのときある本で目にしたあの言葉です。
Migliaia di cuochi rovinare il piatto
たくさんの料理人は料理を台無しにする
「お前うちの畑来て見るか?」「おう!いまからいこうすぐいこう!」
それから男は何年も朝おばちゃんの畑に通いつめました。
──── あのみっともない涙の訳がわかるまで、